kenjunsan’s blog

メンヘラと呼ばれる人へ

子供と親と自己愛と

甥に会った。

妻の姉の子供で、もうちょっとで2歳になる。

お姉さん夫婦は実家に住んでるわけではないが、出かけるときには子供を両親に預けるため、義実家に行くとだいたい甥がいる。

今日も妻と一緒に義実家に行ったら甥が「おー」とか「あーあー」とか言って出迎えてくれた。

この甥は妻の家では初孫なのでとても可愛がられている。

一挙手一投足をみんなが見守り、何かするたびに絶対にみんなで全力のリアクションを取る。

まあ可愛いから当然のことだが。

それを見てふと思った。

そう言えば 俺も長男で初孫だからたぶんめちゃくちゃ可愛がられたんだよな、と。

 

 

 

家族親族の話を聞く限り、俺も本当に可愛がられてたみたいだ。

しかし、そのはずなのに俺の心のなかには空虚な部分がある。

以前の記事でも書いたが、それは父親との関係に原因がある。

別に父親は虐待じみたことはそこまでしなかったし、俺や家族への愛情はとてもある人だった。

でも、父親も俺と同じで弱っちいので、家族に依存してたんだと思う。

若いときの父親は、

「世の中敵だらけだけど家族だけは俺の味方だ。」

「何があっても家族だけは守る。」

みたいなスタンスで生きてた。

まあ、敵を作ってるのは自分自身なんですけどね、初見さん

すごい不器用なんだよね。

もうちょっとうまく媚び売って、敵を作らないように立ち回ってればさ、もっと出世もできただろうに。

父親はそういうことができない人みたいだ。

で、そうして周囲のヘイトあげてたらさ、絶対自分に返ってくるじゃん?

それが自分のフラストレーションにもなるじゃん?

だから余計に孤立して味方は家族だけって感じになるんだろうね。

 

まあ要するに父親は孤独だったわけだ。

高すぎるプライドが、周囲に迎合することや他人に媚びを売ることを許さなかったんだな。

見方によっては高潔なのかもしれないが、すごく非合理的だし損をする生き方だなと思う。

それに、プライドの高さが自分の首を絞めるっていうのが自己愛性人格障害っぽい。

 

ここで俺自身のことにちょっとだけ触れると、

(あくまで自己診断だが)俺も自己愛性人格障害だと思う。

この自己愛性人格障害という精神疾患に罹患している人間は、自分は特別で普通の人とは違う才能や能力を持っており、自分は限りない成功を手にするのだと盲信している。

彼らはセルフプロデュースに全力を注いでおり、自身に満ち溢れた言動を取るので、一見するととても魅力的な人間に見えることが多い。

しかし、実態としては地に足がついておらず、語っているのは根も葉もない話しだったり、夢物語にすぎない場合もある。

そして、そういった自分の夢想を崩そうとする人には過剰に攻撃して傷つけることがある。

その理由は幼少期の経験により正常な自己愛を獲得できず、ありのままの自分を愛せないからだ。

ありのままの自分を愛せないから、理想の自分を作り上げ、周囲にもその理想が実像であることを強制する。しかし、その理想は砂上の楼閣のごとく空虚なものであるので、良識を持った人には看破されてしまう。

 

代表例としては、サルバドール・ダリ三島由紀夫などが挙げられる。

特に三島由紀夫なんてすごいぞ。

国粋主義という名のナルシシズムに傾倒して、自衛隊の駐屯地で割腹自殺をしちゃったくらいだ。

(本題と違うし、あんまり政治的な色が出たりするのも嫌なのでこれくらいにしよう・・・。)

この自己愛性人格障害も、原因は幼少期の親の愛情不足にある。

俺の父親の場合それが顕著で、父親の両親、つまり俺の祖父母は共働きだったのがその原因だ。

特にばあちゃんは仕事ばっかりで、家庭には無関心だったそうだ。

それなりの愛情はあったのだろうが、親子のふれあいとしてはとても足りないものだったのかもしれない。

その上じいちゃんも昔気質なところがあって、気に入らないことがあるとすぐ癇癪を起こす人だった。

俺も小さい頃このじいちゃんにげんこつを食らわされたし、ばあちゃんにガミガミ怒鳴ってるのは今でもよく見る。

そういう両親のもとに育ったので、父親は正常な自己愛を獲得できなかったようだ。

 

子供にとっていちばん大事なのは親の愛だ。

親の愛があれば、お金がなくてもひもじくてもなんとかなる。

しかし親の愛が足りないと感じたら、歪む。

徹底的に歪む。

親が十分に愛していると思ってるとか関係ない。

子ども自身がどう捉えるかだ。

俺のばあちゃんも父親のやばいところを見てるのだが、何が足りなかったんだろうねとか無責任にほざいたりする。

俺の両親だって俺には出来る限りのことをしてきたと思っている。

でも、そういう話じゃないんだわ。

子供がどう思うかだけなんだわ。

 

 

 

俺と妻の間にも子供はいずれできるだろうが、絶対に幸せにしてあげようねって話をする。そして、悲しみの連鎖は俺たちで断ち切ろうねってことを言ってる。

 

 

 

 

 

 

ということを今日甥に会って考えた。

甥よ、ありがとう。

おっちゃん甥のおかげでブログのネタができたぞ!!

 

おしまい